Japanese
English
研究と報告
分裂病者におけるP300振幅の減衰は常にtrait markerと言えるか—緊張型4症例での寛解期の回復
Is the Attenuated P300 Amplitude in Schizophrenics Always a Trait Marker ?: its recovery at remission in 4 catatonics
岩崎 真三
1
,
鳥居 方策
1
,
中川 東夫
1
,
有原 徹
1
,
藤木 暁
1
,
片町 隆夫
1
,
天野 裕之
1
Shinzo IWASAKI
1
,
Housaku TORII
1
,
Haruo NAKAGAWA
1
,
Tetu ARIHARA
1
,
Satoru FUJIKI
1
,
Takao KATAMACHI
1
,
Hiroyuki AMANO
1
1金沢医科大学神経精神医学教室
1Department of Neuropsy chiatry, Kanazawa Medical University
キーワード:
Schizophrenics
,
Attenuated P300 amplitude
,
Trait or state marker
,
Remitted catatonics
,
Normal P300 amplitude
Keyword:
Schizophrenics
,
Attenuated P300 amplitude
,
Trait or state marker
,
Remitted catatonics
,
Normal P300 amplitude
pp.629-637
発行日 1995年6月15日
Published Date 1995/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903889
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
【抄録】分裂病者に常に観察される顕著なP300振幅の減衰は,投薬や症状改善に影響されないだけでなく,罹患のリスクの大きい分裂病者の子どもなどにも認められることから,分裂病の素質(trait)を表現するものである,という見解が定着している。
我々は緊張病の4症例において,各2〜4回ずつ記録した視覚性ERPのP300振幅が,急性増悪期に顕著な減衰を示しながら,症状の改善とともに次第に増大し,最終的にはほぼ正常の大きさに復することを見い出した。また,これら4症例で記録されたP300振幅は,BPRSおよびSANSの総得点との間に,それぞれ有意な負の相関を示した。これらの所見は,少なくとも非中核群の分裂病ではP300振幅が状態依存性(state-dependent)に変動する可能性を示唆するものである。
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.