Japanese
English
研究と報告
精神分裂病者の学校適応状況(第1報)—状態像との関係について
School Adaptation of Schizophrenics: About the relation to clinical features
弟子丸 元紀
1
,
赤城 藤孝
1
,
宮本 憲司朗
1
,
山下 建昭
1
,
上妻 明彦
2
,
荒木 邦生
1
,
橋村 哲男
1
,
木村 武実
1
,
中村 能文
3
,
宮川 太平
1
Motonori Deshimaru
1
,
Fujitaka Akagi
1
,
Kenshirou Miyamoto
1
,
Kenshou Yamashita
1
,
Akihiko Kouzuma
2
,
Kunio Araki
1
,
Tetsuo Hashimura
1
,
Takemi Kimura
1
,
Takafumi Nakamura
3
,
Taihei Miyakawa
1
1熊本大学医学部精神神経学教室
2国立療養所菊池病院
3飯塚病院
1Department of Neuropsychiatry, Medical School, Kumamoto University
2Kikuchi National Hospital
3Iizuka Hospital
キーワード:
Schizophrenics
,
School adaptation
,
Clinical features
Keyword:
Schizophrenics
,
School adaptation
,
Clinical features
pp.1301-1310
発行日 1990年12月15日
Published Date 1990/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902959
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抄録 精神分裂病者(54名)の学校適応状況について検討した。外来受診時は各学年ともに6〜7割が不登校であった。発病状況では急性・亜急性型より潜伏期型が学校適応が悪かった。退院後の学校適応について状態像との関係をみると,緊張病症状群が前景群は69%,活発な幻覚・妄想状態が前景群は64%,情意減弱状態,関係・被害妄想が前景の群は65%,心気症状,関係・被害妄想が前景の群は40%,神経症症状を示す例は全例が不適応であった。入院中の症状との関係は,「気分・行動変調」および「異常体験」より,「情意減弱状態」が学校適応の障害となっている。また病棟内の生活態度との関係は適応が良い例は,入院治療に際し,治療者の指示に従い,学校のことよりも治療優先的態度を示し,かつ仲間関係が保て,運動・レクレーションヘの参加意欲を示す例であり,一方,自分の判断・考えで行動し,自我理想が高く,対人関係で葛藤状況を来しやすい例は学校適応が困難であった。
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