Japanese
English
研究と報告
うつ病患者の尿中メラトニン代謝物の量と日内リズム
Daily Excretion and Diumal Rhythm of Urinary Melatonin Metabolite in Major Depression
大井 健
1
,
山田 尚登
1
,
大門 一司
1
,
青谷 弘
1
,
高橋 三郎
1
Ken OHI
1
,
Naoto YAMADA
1
,
Kazushi DAIMON
1
,
Hiromu AOTANI
1
,
Saburo TAKAHASHI
1
1滋賀医科大学精神医学講座
1Department of Psychiatry, Shiga University of Medical Science
キーワード:
Major depression
,
6-sulphatoxymelatonin
,
Diurnal rhythm
,
Body temperature
Keyword:
Major depression
,
6-sulphatoxymelatonin
,
Diurnal rhythm
,
Body temperature
pp.621-627
発行日 1995年6月15日
Published Date 1995/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903888
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
【抄録】19例のうつ病患者で,尿中のメラトニン代謝物(6-sulphatoxymelatonin;6MS)ならびに深部体温を測定した。うつ病患者の6MSの1日の総排泄量は,正常対照者との間には有意な差が認められなかったが,うつ病病相期と比較して寛解期に有意な減少を示した。6MSの日内リズムは,正常対照者全例で夜間に高い正常のリズムを示した。一方,うつ病患者19例のうち10例は正常のリズムであったが,4例は著しい低排泄・低振幅を,5例は夜間以外の時間帯に最大排泄量を示した。低排泄・低振幅を示したものは深部体温リズムの振幅も減少していた。うつ病患者を6MSリズムの様式から正常群,低振幅群,位相後退群に分け,ハミルトンうつ病評価尺度の各症状項目について比較し,精神運動制止,自殺念慮,気分の日内変動の項目で有意な差がみられた。うつ病患者の約半数においてメラトニン分泌異常があり,このことは,我々が先に報告した体温リズムの異常を裏づけるものである。
Copyright © 1995, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.