「精神医学」への手紙
Letter—Promethazineにより夜間の背部痛を生じた精神分裂病の1例—寺尾論文を読んで
今泉 寿明
1
1可知病院
pp.1226
発行日 1994年11月15日
Published Date 1994/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903776
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levomepromazine(LP),promethazine(PMZ)などの抗ヒスタミン作用を有する向精神薬(抗H1精神薬)の関与が推定されている夜間痛2,3)について,その分類と成因を論ずる。
自験例は精神分裂病の男性。29歳で発病,31歳になりhaloperidol(HP)10mg/日(毎食後),LP 50mg/日(就寝前)の治療を開始。経過良好にて5週目にはHP 3mg/日,PMZ 25mg/日(就寝前)に減量した。すると6週目頃から,寝床と接する下背部(体位によっては前胸部,肩・上腕)に夜間鈍痛を訴え始め,起床後の活動ですぐ軽快し就寝までは無症状であると述べた。他の異常知覚は認めず,身体疾患も否定された。13週目のPMZ中断により痛みは徐々に和らぎ,15週目には消失,35週目の現在まで再発をみていない。
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