「精神医学」への手紙
Letter—精神分裂病における表現促進の有無について—今村論文を読んで
林 昭秀
1
,
稲山 靖弘
1
,
米田 博
1
1大阪医科大学神経精神医学
pp.786
発行日 1996年7月15日
Published Date 1996/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904145
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以前より,Bassetら1)の報告,第4回世界精神科遺伝学会議(Cardiff, UK)での発表から精神疾患における表現促進の有無に関心を持っておりましたが,昨年の12月号今村ら2)による「気分障害と精神分裂病の世代間伝達の特徴についての検討」を読み,我々も同様の検討を行いました。
対象として,1986年から1994年まで大阪医科大学精神神経科,または大阪府,兵庫県内の精神病院に入院した患者の病歴を検索し,DSM-Ⅲ-Rにて発端者が分裂病,または分裂感情障害であり,親または子に精神症状を有する疾患を認めた発端者を見いだしました。次に,これら家系における発端者とその親,または子の患者ペアの発症年齢をWilcoxon t検定において比較しました。
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