Japanese
English
研究と報告
恐慌性障害の症例研究:6—高齢発症群の臨床的特徴
Case Studies of Panic Disorder: 6: the clinical characteristics of late onset panic disorder
塩入 俊樹
1
,
村下 淳
1
,
加藤 忠史
1
,
高橋 三郎
1
Toshiki SHIOIRI
1
,
Jun MURASHITA
1
,
Tadafumi KATO
1
,
Saburo TAKAHASHI
1
1滋賀医科大学精神医学講座
1Department of Psychiatry, Shiga University of Medical Science
キーワード:
Panic disorder
,
Late onset
,
Panic symptoms
,
DSM-Ⅲ-R
Keyword:
Panic disorder
,
Late onset
,
Panic symptoms
,
DSM-Ⅲ-R
pp.937-942
発行日 1994年9月15日
Published Date 1994/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903726
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【抄録】 この12年間に診療した235例の恐慌性障害の初発年齢分布を調べたところ,48歳を境とする2峰性分布を示すことがわかった。48歳以上の高齢発症群は34名(14.5%)であり,女性の占める割合が有意に高く(女性25名),空間恐怖を伴う者の割合が少なく(34例中5例),また恐慌発作中の症状項目数が少ない傾向があった。恐慌発作時の臨床症状については,高齢発症群では「身震いまたは振戦」は有意に出現頻度が高い反面,「離人感または非現実感」は全く認められなかった。また恐慌発作中のその他の症状については,高齢発症群で身体症状をより多く訴える傾向にあった。初診後の経過は,外来通院が規則正しくなされていた患者は,34例中10例で,そのうち7例が完全寛解し,残りの3例は慢性化していた。治療を中断した者は15例であり,大部分が3カ月以内の中断であった。
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