Japanese
English
研究と報告
登校拒否を示した思春期のパニック障害—状態像と経過について
Panic Disorder in Pubertal Cases with School Refusal
弟子丸 元紀
1
,
石塚 公子
2
,
辻 泰子
3
,
宮川 太平
2
Motonori DESHIMARU
1
,
Kouko ISHIZUKA
2
,
Yasuko TSUJI
3
,
Taihei MIYAKAWA
2
1国立療養所菊池病院臨床研究部
2熊本大学医学部神経精神医学教室
3宮崎県立富養園
1Kikuchi National Hospital
2Department of Neuropsychiatry, Kumamoto University, School of Medicine
3Miyazaki Prefectural Hospital (Fuyoen)
キーワード:
Panic disorder
,
Puberty
,
Symptoms
Keyword:
Panic disorder
,
Puberty
,
Symptoms
pp.241-248
発行日 1993年3月15日
Published Date 1993/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903409
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【抄録】 思春期の登校拒否を伴うパニック障害例を4症例経験したので報告する。年齢は12歳が2名,13歳が2名で,男女各2名であった。全例が友人との「別離」を契機に,心身故障・不安状態,登校拒否などの前駆症状を伴い,突然にパニック発作を示した。初期の表現行動は「驚愕反応」の「逃避・擬死反射」や「攻撃、運動乱発」に類似の状態を示していた。自覚的にも「離人感,自己を制御できない恐怖感」を主に述べている。また,ベックの不安評価表を参考にしつつ,具体的に質問すると身体症状の把握は可能であった。思春期例の経験している症状は成人例と同質のものと考えられるが,表現行動,症状の自覚および状況の理解と対応は年齢(自律神経系の発達や自我の成熟度)によって異なると考える。なお,思春期例はDSM-Ⅲ-Rの診断基準による診断は可能であった。治療面も成人例と同様にアロプラゾラム,三環系抗うつ剤が有効であった。
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