Japanese
English
研究と報告
ロールシャッハ・テストからみた森田療法適応例の病態水準
Developmental Level of the Patients Treated with Morita Therapy from the Viewpoint of Rorschach Test
久保田 幹子
1
,
深津 千賀子
2
,
三宅 由子
3
,
北西 憲二
1
Mikiko KUBOTA
1
,
Chikako FUKATSU
2
,
Yuko MIYAKE
3
,
Kenji KITANISHI
1
1東京慈恵会医科大学第3病院精神医学教室
2慶応義塾大学医学部精神神経科
3東京都精神医学総合研究所
1Department of Psychiatry, Daisan Hospital, Jikei University School of Medicine
2Department of Neuropsychiatry, School of Medicine, Keio University
3Psychiatric Research Institute of Tokyo
キーワード:
Morita shinkeishitsu
,
Morita therapy
,
Rorschach test
,
Developmental level
Keyword:
Morita shinkeishitsu
,
Morita therapy
,
Rorschach test
,
Developmental level
pp.845-852
発行日 1994年8月15日
Published Date 1994/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903711
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【抄録】 ロールシャッハ・テストからみた森田療法適応例の客観的特徴を明らかにするために,入院森田療法を施行した46例を病態水準の観点から検討し,さらに中途脱落群と軽快群の比較を行い,転帰との関連について考察した。その結果,①森田療法適応例の病態水準には高次の水準から低次の水準まで幅があることが示された。②軽快群,脱落群ともに,異なる病態を含んでおり,転帰を病態水準のみで予測することは困難と考えられた。③病態水準以外の要因と転帰との関連について検討した結果,病態水準の高い群はテストの因子のみで転帰を予測することは困難であり,他の要因も関与していると推察された。④病態水準の低い群では明らかな違いが認められ,病理は重くとも内向的で外界と情緒的な距離を置くタイプは改善の可能性が高いが,不安耐性が低く,情緒的に巻き込まれやすいタイプは脱落の危険性が高いと理解された。
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