動き
「第9回青年期精神医学交流会」印象記
加藤 浩子
1
1都立梅ケ丘病院
pp.446-447
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903238
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第9回青年期精神医学交流会は都立松沢病院の坂口正道医長を会長として,1991年11月30日,新宿副都心の新都庁を望む三省堂文化会館で開催された。参加者約100名のこぢんまりとした会であったが,12の演題を1題に30分かけてじっくりとした発表と討論が行われた。午前,午後6題ずつで内容は広い範囲にわたり,現象学的記述式,あるいは精神分析学的方向づけの症例の診断,治療についての討論が熱心になされ,またこの会では珍しい集団精神療法についての発表もあった。以下各演題について述べる。
1.父子で家庭内暴力を振るう症例(都立松沢病院・尾内秀雄):演技性人格障害(DSM-Ⅲ-R)と診断された19歳の男性。高2より成績低下,身体症状,不登校,無為自閉的生活,器物破損が認められた。治療中に父親にも同様の外的課題への対応の乏しさや飲酒,器物破損,欠勤がみられたという。高校入試時に挫折があり,無意識的な挑戦への失敗との分析的討論が九州の参加者からあった。診断的問題ではDSM-Ⅲ-Rの第1軸はという質問や分裂病質人格障害や分裂病への言及もあった。家族内力動に関する発言もあった。
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