動き
「第13回世界精神医学会議(カイロ)」印象記
野口 正行
1,2
,
大塚 公一郎
1,3
,
加藤 敏
1
1自治医科大学精神医学教室
2佐野厚生総合病院精神神経科
3自治医科大学看護学部
pp.102-103
発行日 2006年1月15日
Published Date 2006/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405100197
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2005年9月10日より15日まで,Ahmed Okasha会長のもと,エジプトの首都カイロにて第13回世界精神医学会議が行われた。標題はエジプトならではの「科学とケアの5000年」であり,精神医学の淵源が古代の文明のはじまりとともにあったことを思い起こさせる。我々は自らを近代医学に基づいた精神医療を行うものと自認しているが,Ellenbergerが「無意識の発見」において跡付けたように,近代科学以前からの重層的な歴史の蓄積の上に現在の我々の実践があるということを改めて気づかせるものであった。
学会の内容としては,遺伝,脳機能,形態学,薬物などの生物学的分野から,社会精神医学,芸術療法,病跡学の分野の発表など多岐にわたるが,エジプトで主催されたことも関係あるのか,宗教と精神医学,途上国の精神医学的問題など社会文化的側面に力点を置いた発表が目立ったように思われる。
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