動き
第5回日本生物学的精神医学会印象記
高橋 三郎
1
1滋賀医科大学精神医学
pp.770-771
発行日 1983年7月15日
Published Date 1983/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203618
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第5回日本生物学的精神医学会は,昭和58年3月25,26の両日,津市の三重県教育文化会館で開催された。津市は文字通り筆者の住む大津市に似て共に静かで学問に取り組めるふんい気のある県庁所在地である。今回はシソポジウムに加えて,一般演題90に及び盛況であった。ちなみに本学会の一般演題数は第1回から,38,59,40,72,90と着実に増加しており,これは精神医学における生物学的背景研究の必要性が広く認められてきた証拠である。この分野の研究に携わる者の1人として一言付け加えるならば,何時の日かこの学会の名称から「生物学的」の名が消えて,精神医学が神経科学と融合することを夢みている。読者の大多数の方が御存じのように米国でBiological Psychiatryの学会が分科したのはすでに10年以上も以前のことで,かつて筆者が在加中この学会を拝聴したことがあるが,今月の我国のB. P. も参加人員,発表演題の質,量ともに米国のそれに劣らぬ盛況となったのは喜ばしい。
本学会会長の鳩谷教授は,京大,三重大と長年にわたる研究生活で「周期性精神病」と「内分泌精神医学」を2本の柱として取組んで来られた。会長講演とシンポジウムのテーマでこの2つを取り上げられたのはごく自然の成行きである。
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