Japanese
English
研究と報告
反応性精神病が疑われ,診断が困難であった高血糖昏睡の1症例
A Case of Hyperglycemic Coma with Difficulty in Diagnosis between Reactive Psychosis
真下 清
1
,
榎田 雅夫
1
,
山内 俊雄
1
Kiyoshi Mashimo
1
,
Masao Enokida
1
,
Toshio Yamauchi
1
1埼玉医科大学精神医学教室
1Department of Psychiatry, Saitama Medical School
キーワード:
Hyperglycemic coma
,
Reactive psychosis
,
Visual hallucination
,
Abdominal pain
Keyword:
Hyperglycemic coma
,
Reactive psychosis
,
Visual hallucination
,
Abdominal pain
pp.1211-1216
発行日 1991年11月15日
Published Date 1991/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903146
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【抄録】 高血糖昏睡の死亡率は高く,早期診断,早期治療が必要といわれている。初発症状として腹痛,悪心などの消化器症状を訴える場合は腹部疾患と誤診されることがあり,集中困難,脱抑制,不穏,抑うつなどの精神症状,あるいは意識障害で発症することもあるといわれる。
最近我々は,幻視,腹痛を主訴に入院したが,昏睡状態を呈し死亡した糖尿病性昏睡の1症例を経験した。反応性精神病の診断で入院したが,午後より昏睡状態を呈し,種々の治療にもかかわらず翌日死亡した。検査結果および病理解剖の結果から,高血糖昏睡と診断された。
これまで高血糖昏睡の初発症状では精神症状を呈した報告例は少なく,文献的考察を加えるとともに,本疾患における早期診断,早期治療の重要性を強調した。
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