Japanese
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短報
緊張病症状を伴う治療抵抗性精神分裂病に炭酸リチウム投与が有効であった1症例
Effects of Lithium Carbonate on the Treatment-resistant Schizophrenic Patient with Catatonic Symptoms: A case report
野田 恭平
1
,
渡辺 義文
1
,
榎田 雅夫
1
,
樋口 輝彦
1
,
山内 俊雄
1
Kyohei Noda
1
,
Yoshifumi Watanabe
1
,
Masao Enokida
1
,
Teruhiko Higuchi
1
,
Toshio Yamauchi
1
1埼玉医科大学精神医学教室
1Department of Psychiatry, Saitama Medical School
pp.1217-1220
発行日 1989年11月15日
Published Date 1989/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204806
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I.はじめに
リチウム塩が精神科臨床に導入されて40年の間に,様々な疾患に対するその治療経験が集積されてきた。特に情動障害を伴う各種疾患や,精神分裂病を含む疾患での感情の障害,興奮性,易刺激性などの随伴症状に対するリチウムの効果が確認されている一方で,精神分裂病そのものに対する有効性については否定的な意見も多い7)。
今回,私たちは,初発時には抗精神病薬が有効であったが,約9年の寛解期を経て再発した時点では抗精神病薬に反応せず,入院中,治療抵抗性の緊張病性興奮や昏迷を繰り返した精神分裂病患者で,炭酸リチウム併用により,症状の顕著な改善をみた例を経験したので報告する。
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