「精神医学」への手紙
Letter—産褥期におけるクロルプロマジン投与と母乳中濃度の関係
森信 繁
1
,
十束 支朗
1
1山形大学精神神経医学講座
pp.788
発行日 1991年7月15日
Published Date 1991/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903088
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今回我々は,産褥期に再燃状態となりクロルプロマジン(CP)投与を受けた精神分裂病患者について,本薬剤の血中および母乳中濃度を測定しえたので,その結果と本薬剤投与の安全性に関する簡単な検討を報告する。
症例は,1955年生まれの女性であり,1983年から精神分裂病の診断にてCPを主とした薬物療法を受けていた。寛解状態であったため,1990年1月から服薬を中止していた。同年12月(妊娠39週目)に,山形大学附属病院産科で帝王切開にて出産する。出産日夜から,不安焦燥感・被害関係念慮・不眠を伴った再燃状態となり,これまでも有効であったCP 30mg/day(就眠前)の投与を開始する。この結果速やかな症状改善が得られ,12日間の投薬にて薬物療法を終了する。
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