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第1回精神医学・精神保健ヨーロッパ医史学会The 1st European Congress on the History of Psychiatry and Mental Health Careは1990年10月24〜26日,オランダ(以下Nlと略)の's-HertogenboschにおいてCasino den Boschを会場として開催された。オーガナイザーはUtrechtにあるオランダ精神保健研究所(NcGv:Nederlands Centrum Geestelijke Volksgezondheid),科学的プログラム委員長はLeuvenのカトリック大学(ベルギー:Bg)のP. Vandermeersch教授,国際顧問委員会はBonn大学医史学教室のH. Schott教授(ドイツ:Gm),California大学医学的人文学Medical HumanitiesのD. B. Weiner教授(アメリカ:Am),Caen大学定量史学研究センターCentre de Recherche d'Histoire Quantitative(C. N. R. S.)のC. Quétel博士(フランス:Fr),Cambridge大学Robinson Collegeの医学研究指導長のG. E. Berrios博士およびLondonのWellcome医史学研究所のR. S. Porter博士(イギリス:UK),地元オランダからLeiden大学医史学教室のA. M. Luyendijk-Elshout名誉教授,Rotterdamのエラスムス大学史学教室のW. Frijhoff教授という多彩な顔触れであった。ちなみにBerrios, Porter両博士は,1990年3月に発刊された“History of Psychiatry”誌(Alpha Academic in Collaboration with the Royal College of Psychiatrists)の編集責任者である。これら主要メンバーについては著作表を参照されたい(表)。
この委員会構成は,現在の精神医学史研究,さらには医史学全体の潮流をも反映しているのだが,約160人の参会者の専門もまた精神医学,精神保健のほかに心身医学,犯罪学,生物・医学倫理学,医史学,科学史,史学,心理学,社会学など極めて多岐にわたる。地元オランダを筆頭に,イギリス,ドイツ,フランス,ベルギーの参加者が多く,統一なったばかりのドイツからは,世界最初の医史学教室の伝統をもつLeipzig大学Karl-Sudhoff医史学研究所(元東ドイツ)から2名の研究員の顔がみられた。東欧は別として北欧から南欧に至るほとんどすべての国の参加者があったわけで,アメリカからの主要な研究者のほかにカナダ,さらにはオーストラリアの人もみえた。わが国からは筆者のほかに,東京大学の科学史研究グループ(村上陽一郎氏ら)からLondonのWellcome医史学研究所に留学しているAkihito Suzuki氏が出席していた。
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