動き
「第10回ヨーロッパ精神医学会」印象記
大塚 公一郎
1
1自治医科大学精神医学教室
pp.332-333
発行日 2001年3月15日
Published Date 2001/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902397
- 有料閲覧
- 文献概要
2000年10月28日から11月1日の5日間,第10回ヨーロッパ精神医学会(10TH Congress of the Association of European Psychiatrists:AEP)が,前WPA会長であるNorman Sartorius会長のもと,チェコ共和国のプラハで開かれた。会場は,ビシェフラド地区にあるCongress Centerで,プラハ城の眺望が楽しめた。2,500人あまりの参加者があり,非ヨーロッパ圏からも500人ほどの参加者があった。7つの会場で,3つのメインレクチャー,18のセクションシンポジウム,55のシンポジウム,15のワークショップ,500近くのポスター発表が行われた。基調テーマとして「多様性のなかで共に成長を」を掲げており,ヨーロッパにおける歴史や文化における多様性を尊重しつつ,精神医学やメンタルヘルスの研究,教育,サービスにおける健全で公平な協力の道を模索し,さらに他の大陸の人々にも恩恵をもたらそうと宣言されていた。会長講演では,WHOによる国際的医療水準ランクを通して,ヨーロッパの現状が報告され,医療後進国を引き上げるために,産業資本よりも社会資本の発展に優先を与えるべきだとの提案がなされた。
本学会のシンポジウムやワークショップは,西欧,北欧を中心としたヨーロッパ諸国間での多施設研究の発表の場という色彩が強く,基調テーマにかなった内容であった。
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.