Japanese
English
研究と報告
精神病院入院患者における胆石—腹部超音波断層法による検討
Investigation of Gallstone in the Psychiatric Inpatients Using Ultrasonography
橋口 知
1
,
福迫 博
1
,
野間口 光男
1
,
長友 医継
1
,
松本 啓
1
Tomo Hashiguchi
1
,
Hiroshi Fukuzako
1
,
Mitsuo Nomaguchi
1
,
Itsugi Nagatomo
1
,
Kei Matsumoto
1
1鹿児島大学医学部神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, Kagoshima University
キーワード:
Gallstone
,
Psychiatric inpatient
,
Ultrasonography
,
Neuroleptics
Keyword:
Gallstone
,
Psychiatric inpatient
,
Ultrasonography
,
Neuroleptics
pp.627-632
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903065
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【抄録】 鹿児島市内の単科精神病院に入院中の30歳以上の男性50名,女性44名の合計94名(平均年齢52.5歳)に対して腹部超音波断層法による胆石のスクリーニング検査を行い,胆石保有群と非保有群とに分け,比較検討した。
全対象94名のうち,26名(27.7%)に胆石が認められた。胆石保有率と年齢の間に有意な関係は認められなかったが,男女別では女性の胆石保有率が有意に高かった。また,胆石保有群は非保有群に比べて,罹病期間および服薬期間が有意に長かった。年齢,肥満,抗精神病薬の1日服薬量,血液生化学検査では,両群間に有意差は認められなかった。
精神病院入院患者は,一般人に比べて胆石保有率が有意に高く,また,胆石形成に関与すると思われる因子に関して,一般人における研究報告との間に相違がみられた。今回の結果と文献的考察から,抗精神病薬が胆石の形成に促進的に作用している可能性があることを示唆した。
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