Japanese
English
研究と報告
慢性硬膜下血腫を合併した初老期痴呆の3例
Three Cases of Presenile Dementia with Chronic Subdural Hematoma
渡辺 新太郎
1,2
,
由利 和雄
1
,
村田 章
1
,
柏井 洋平
1
,
岩村 久
1
,
坂田 哲二
1
,
玉垣 千春
1
,
斎藤 正己
1
Shintaro Watanabe
1,2
,
Kazuo Yuri
1
,
Akira Murata
1
,
Yohei Kashii
1
,
Hisashi Iwamura
1
,
Tetsuji Sakata
1
,
Chiharu Tamagaki
1
,
Masami Saito
1
1関西医科大学精神神経科学教室
2大阪府大東保健所
1Department of Neuropsychiatry, Kansai Medical University
2Daito Public Health Center, Osaka Prefecture
キーワード:
Presenile dementia
,
Complication
,
Chronic subdural hematoma
Keyword:
Presenile dementia
,
Complication
,
Chronic subdural hematoma
pp.621-626
発行日 1991年6月15日
Published Date 1991/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903064
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【抄録】 初老期痴呆の代表的疾患であるAlzheimer病2例とPick病1例に,慢性硬膜下血腫を合併した症例を報告した。
Alzheimer病の2症例は,それぞれ発症後8年目および5年目に慢性硬膜下血腫を来した。また,Pick病の症例は,発症後7年目に硬膜下水腫,続いて硬膜下血腫を来している。これらは3例とも初老期痴呆の病期分類における第2期で,慢性硬膜下血腫を来しており,この時期の初老期痴呆には治療・看護面での十分な配慮が必要であると考えた。
また,臨床症状については,初老期痴呆患者に慢性硬膜下血腫が合併した場合,自発性の低下や軽度の意識障害など,一見すると痴呆の進行と見誤るような精神症状の変化がみられることから,その診断には精緻な臨床的観察が肝要と考えた。
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