Japanese
English
研究と報告
爆発性言語を呈したPick病の1症例
A Case of Pick's Disease with Explosive Speech
白谷 敏宏
1
,
井料 学
1
,
森岡 洋史
1
,
上山 健一
1
,
橋口 知
1
,
鹿井 博文
1
,
長友 医継
1
,
冨永 秀文
1
,
松本 啓
1
Toshihiro Shiratani
1
,
Manabu Iryo
1
,
Hirofumi Morioka
1
,
Kenichi Ueyama
1
,
Tomo Hashiguchi
1
,
Hirofumi Shikai
1
,
Itsugi Nagatomo
1
,
Hidefumi Tominaga
1
,
Kei Matsumoto
1
1鹿児島大学医学部神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Faculty of Medicine, Kagoshima University
キーワード:
Pick's disease
,
Explosive speech
,
Presenile dementia
,
Incoordinative dysarthria
Keyword:
Pick's disease
,
Explosive speech
,
Presenile dementia
,
Incoordinative dysarthria
pp.389-394
発行日 1991年4月15日
Published Date 1991/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903034
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【抄録】 痴呆,人格水準の低下,超皮質性失語,言語および行動面での滞続症状を認め,Pick病と診断した患者で,特異的な爆発性言語を呈した58歳の女性を報告した。この爆発性言語は最初の発語が特に大きく次第に小さくなるもので,声の大きさを調節できないことから一種の失調性構音障害と考えられた。画像診断により得られた所見は前頭葉および側頭葉の限局性萎縮であり,小脳や皮質下領域に異常は認められなかった。したがって,現時点においてこの失調性構音障害は小脳や基底核の障害でみられるものとは異なり,大脳皮質の障害による可能性が高いと考えられた。
一方,Pick病には典型的な症状以外にも運動失調など様々な症状の出現が示唆されており,脳萎縮の進行過程と症状出現の関連において興味ある症例と考えられた。
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