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短報
精神科入院自殺既遂例の検討—自殺状況と前兆について
A Study of Suicidal Psychiatric Inpatients: suicidal situations and prodromes
津村 哲彦
1
Tetsuhiko Tsumura
1
1多摩済生病院・精神科
1Department of Psychiatry, Tama Saisei Hospital
キーワード:
Psychiatric inpatient
,
Suicide
,
Prodromal situation
Keyword:
Psychiatric inpatient
,
Suicide
,
Prodromal situation
pp.773-776
発行日 1992年7月15日
Published Date 1992/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903280
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■はじめに
自殺の問題は,結果が取り返しのつかない重大な事態だけに重要な問題であり,特に,入院中の場合には,我々治療スタッフの目が届くだけにやりきれないものである。過去において精神科患者の自殺についての検討は数多くなされているが,自殺問題を検討する場合,自殺未遂者まで入れると自傷行為や狂言との区別が難しく範囲が不明瞭になり,通院患者では情報が整わず,自殺既遂者は何も語ってくれないという調査自体の限界を伴うものである。入院患者の場合,管理された環境の中で生じることであるだけに繰り返し検討されなければならない問題と思われる。
今回,当院精神科における過去25年間の自殺既遂例についての事故報告書に基づいて検討した結果と,海外の文献は文化・宗教的な問題もあるため,過去の我が国の研究を参考に,入院中の自殺の状況と前兆についてまとめた。
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