Japanese
English
研究と報告
失語症言語治療とコンサルテーション・リエゾン精神医学
The Speech Therapy of Aphasia and Consultation-Liaison Psychiatry
渡辺 俊之
1
,
鈴木 淳
2
,
安孫子 修
3
,
青木 孝之
1
,
保坂 隆
1
,
狩野 力八郎
1
Toshiyuki Watanabe
1
,
Jun Suzuki
2
,
Osamu Abiko
3
,
Takayuki Aoki
1
,
Takashi Hosaka
1
,
Rikihachiro Kano
1
1東海大学精神科
2東海大学大磯病院リハビリテーション室
3東海大学リハビリテーション科
1Department of Psychiatry and Behavioral Science, Tokai University School of Medicine
2Division of Rehabilitation Medicine, Tokai University Oiso Hospital
3Department of Rehabilitation Medicine, Tokai University School of Medicine
キーワード:
Aphasia
,
Speech therapy
,
Consultation-Liaison psychiatry
,
Dynamic psychiatry
Keyword:
Aphasia
,
Speech therapy
,
Consultation-Liaison psychiatry
,
Dynamic psychiatry
pp.395-401
発行日 1991年4月15日
Published Date 1991/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405903035
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【抄録】 失語症者は様々な精神医学的問題を抱えるために,言語治療における心理的側面への配慮の重要性は,以前より指摘されてきた。しかし,こうした配慮が実際の治療場面に十分に生かされているとは言いがたい。
我々は,失語症言語治療におけるコンサルテーション・リエゾン(以下CL)精神医学の実践を通し,そこに内在する諸問題を検討してきた。本論文では,先ず,失語症者および言語治療の心理的情緒的問題点について,文献的展望および明確化を行い,次に,失語症言語治療におけるCL精神医学の役割について,以下四つの側面からまとめた。①コンサルテーション:失語症者の諸問題について,神経心理学的観点に加え,対象喪失,家族力動の観点から助言する。②リエゾン:治療場面における転移・逆転移を明確化し,治療関係の理解を深める。③精神医学的評価:言語治療士が行う治療上の工夫について,精神医学的側面から評価する。④理論モデルの提示:神経心理学に加え,力動精神医学,コミュニケーション論等の理論モデルを提示する。
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