動き
「Panic and Anxiety:A Decade of Progress」国際会議印象記
藤井 薫
1
1大分医科大学精神神経科
pp.105
発行日 1991年1月15日
Published Date 1991/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902989
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1980年のDSM-Ⅲの公刊は,Anxiety Disorders研究のパラダイムを変え,恐慌性障害を中心として,臨床研究の面はもとより,病態生理研究の面にも大きなインパクトを与えた。それから10年を経て,1990年6月19日から22日の4日間,「パニックと不安:この10年間の進歩」と題する国際シンポジウムが,Cornell大学のG. L. Klerman教授をchairmanとして,米国Upjohn社の協賛を得て,スイスのジュネーブで開催された。世界40カ国から200名を越える医師や研究者が参加し,わが国からも12名の精神科医と内科医が出席した。
シンポジウムは,5つのパネルと8つのワークショップから構成されていた。前者は不安障害研究の今日的意義,恐慌性障害の診断,疫学と遺伝,治療,更にbenzodiazepine使用の問題点がテーマとして取り上げられ,現在までの研究成果が発表され,討論がなされた。ここでは,紙数の関係もあり診断・分類に関する2,3の報告についてのみ紹介する。
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