動き
第143回アメリカ精神医学会「討論:境界性人格障害の生物学的病因」を聞く
融 道男
1
,
陳 紀澤
1
1東京医科歯科大学神経精神医学教室
pp.101-104
発行日 1991年1月15日
Published Date 1991/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902988
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1990年5月12〜17日にNew Yorkで開かれた第143回アメリカ精神医学会(APA)に出席する機会があった。いくつかのおもしろい発表を聞いたが,境界性人格障害の生物学というテーマに興味を持った。5月16日は朝から突然の豪雨だったが,午前9時に始まった「討論:境界性人格障害の生物学的病因」は著名な精神科医が討論者になっていることから,200名ほど入る講堂がいっぱいであった。日頃,境界性人格障害(以下境界例)とは果たして何かという疑問を持ち,またその臨床について悩んでいたので,1時間40分をおもしろく聞いた。我が国ではこのような議論はまだ盛んでないので,その内容を要約して紹介したい。司会(modulator)はRex W. Cowdryが務め,聴衆は話題に極めて敏感に反応したが,本稿ではそこまでお伝えできないのが残念である。
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