Japanese
English
特集 中毒性脳障害—第4回脳のシンポジウムより
A・CO中毒と脳障害
実験的CO中毒の脳病理
Light and Electron Microscopic observations on Brains of Experimentally Induced CO Poisoning Cats
高松 勇雄
1
,
武市 昌士
1,2
,
雪竹 朗
3
Isao Takamatsu
1
,
Masashi Takeichi
1,2
,
Akira Yukitake
3
1九州大学医学部神経精神医学教室
2九州大学医学部解剖学教室
3大牟田労災療養所
1Dept. of Neuropsychiatry, Faculty of Med. Kyusyu Univ.
2Dep. of Anatomy. Faculty of Med. Kyusyu Univ.
3Omuta-Rosai Hospital
pp.49-55
発行日 1969年4月25日
Published Date 1969/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904578
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
急性CO中毒症の神経病理学的検索は古くから行なわれ,非間歇型,間歇型ともに,その病理所見の概要は,ほぼ明らかにされた観がある。しかしながら,近年,白木・藤井ら8)は,従来間歇型に特徴的とされていた白質病変が,非間歇型においても,主病変と考えられることを強調した。他方,急性CO中毒症を実験的に動物に作り出し,CO中毒のもつ色々な問題を解決しようとする試みも,古くから行なわれ3,5,6),我が国でも,古くは蘆沢1),近くは守屋7)の業績がある。しかしながら,人体の急性CO中毒発生と同様な条件をそなえ,かつ人体剖検例に比肩しうるような,続発症および病理所見を示す実験結果の詳細な報告は,なお行なわれていない。
私共は,ここ数年来,成熟ネコを用いて急性CO中毒の実験を行ない,顕著な続発症を作ることができたので,これらのネコを,継時的に,脳生理,組織病理,電顕病理の面から検索してきた9〜13)。
Copyright © 1969, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.