Japanese
English
短報
Maprotilineによりせん妄状態を呈したdepressive pseudodementiaの1例
A Case of Depressive Pseudodementia with Delirium Induced by Maprotiline
数川 悟
1
,
細川 邦仁
1
,
遠藤 正臣
1
Satoru Kazukawa
1
,
Kunihito Hosokawa
1
,
Masaomi Endo
1
1富山医科薬科大学神経精神医学教室
1Department of Neuropsychiatry, Toyama Medical and Pharmaceutical University Faculty of Medicine
pp.483-486
発行日 1985年4月15日
Published Date 1985/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203933
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1.はじめに
三環系抗うつ剤によってせん妄が生ずることはよく知られ,その出現は投与患者の8%といわれる一方,40歳以上では15%に上るとの報告9)もある。その発現機序は十分明らかではないが,多くは抗コリン作用に原因が求められ,他の抗コリン性薬剤や植物アルカロイドによる急性中毒などと合せて,central anticholinergic syndrome(CAS)と包括されることもある5)。ところで,近年登場の四環系抗うつ剤は抗コリン作用やそれによる副作用も少ないとされているが,四環系抗うつ剤maprotiline(MAP)投与によりせん妄を呈した1例を経験したので報告する。
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