Japanese
English
短報
アルファ昏睡を呈した急性薬物中毒の1例
An Acute Drug Intoxication Showing Alpha Coma
河合 伸念
1
,
市川 忠彦
2
,
嶋崎 素吉
2
,
小泉 準三
2
,
佐藤 寿一
3
,
山下 衛
4
Nobutoshi Kawai
1
,
Tadahiko Ichikawa
2
,
Motoyoshi Shimazaki
2
,
Junzo Koizumi
2
,
Juichi Sato
3
,
Mamoru Yamashita
4
1筑波大学附属病院精神神経科
2筑波大学臨床医学系(精神医学)
3筑波大学附属病院救急部
4筑波大学臨床医学系(救急医学)
1Psychiatric Service, The University of Tsukuba Hospital
2Department of Psychiatry, Institute of Clinical Medicine, The University of Tsukuba
3Service of Emergency Critical Medicine, The University of Tsukuba Hospital
4Department of Emergency and Critical Medicine, Institute of Clinical Medicine, The University of Tsukuba
pp.793-795
発行日 1990年7月15日
Published Date 1990/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902882
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I.はじめに
臨床的には昏睡状態であるにもかかわらず,脳波では通常の昏睡時に出現するδ,θ波が認められず,覚醒時と類似したアルファ帯域波が認められることがまれにある。アルファ昏睡(以下,α昏睡)と呼ばれるこの特異な臨床・脳波像は,これまで予後不良であるとされてきたが12,15),近年この昏睡からの回復例も報告されるようになり6,14),その病態生理が再び注目されるようになっている。今回,著者らは急性ブロムワレリル尿素中毒によりα昏睡を呈し,早期に回復した1例を経験したので,その臨床・脳波的特徴を中心に報告し,若干の考察を加えたい。
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