Japanese
English
短報
睡眠相遅延症候群の1症例—triazolamによる治療効果について
The Effects of Triazolam on a Case of Delayed Sleep Phase Syndrome
松本 三樹
1
,
宮岸 勉
1
,
毛利 義臣
2
,
田中 康雄
3
Miki Matsumoto
1
,
Tsutomu Miyagishi
1
,
Yoshiomi Mohri
2
,
Yasuo Tanaka
3
1旭川医科大学医学部精神科神経科
2北海道立緑ケ丘病院精神神経科
3市立士別総合病院精神神経科
1Department of Psychiatry and Neurology, Asahikawa Medical College
2Department of Psychiatry and Neurology, Hokkaido Prefectural Midorigaoka Hospital
3Department of Psychiatry and Neurology, Shibetsu Municipal General Hospital
pp.789-792
発行日 1990年7月15日
Published Date 1990/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902881
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I.はじめに
睡眠相遅延症候群(Delayed Sleep Phase Syndrome,以下DSPSと略)は,睡眠時間帯が通常よりも数時間以上遅れて固定するために社会生活上重大な支障を来すという特徴を有している。本症候群は,1979年に作成された睡眠覚醒障害の国際分類においては睡眠覚醒スケジュール障害の一つとして位置づけられ,その後,1981年にWeitzmamら13)によって6症例の詳細な報告および診断のためのガイドラインが呈示された。
DSPSは,近年その病態生理が次第に明らかにされつつあるが,治療方法に関してはなお試行錯誤が続けられている現状である。最近我々は,光療法,時間療法および種々の薬物療法を試みた結果,triazolamが著効を示したDSPSの1例を経験したので,若干の考察を加えて報告する。
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