巻頭言
変革期を迎えた精神医療—精神科病床数の将来推計から
染矢 俊幸
1
1新潟大学大学院医歯学総合研究科感覚統合医学講座精神医学分野
pp.1284-1285
発行日 2001年12月15日
Published Date 2001/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902539
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今後,精神科病床はどのくらいの数が必要だろうか? この単純な疑問を解こうとして精神科医,統計学者などが推計を試みたが,これまで十分な解答が得られていない。実は,この問題を解くヒントは「精神科入院患者の高齢化」,鍵は「時系列分析」にある。
新潟県に過去28年にわたる精神科在院患者数統計がある。これは毎年3月末,10の病類区分ごとの在院患者数を,10歳きざみの年齢層ごとに集計したものである。2000年3月の時点で新潟県には7,090名の精神科在院患者がいた。このうち精神分裂病が3,866名で55%を占めている。在院患者の過半数を占めるこの精神分裂病在院患者数の動きをみると実に興味深い事実に行き当たる。ここで図を書きながら考えてみてほしい。
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