Japanese
English
研究と報告
修正電気けいれん療法(mECT)において心拍静止(asystole)を起こした4例
Asystole in Modified Electroconvulsive Therapy
松尾 幸治
1
,
加藤 忠史
2
,
平井 利幸
1
,
村木 健郎
1
Koji MATSUO
1
,
Tadafumi KATO
2
,
Toshiyuki HIRAI
1
,
Kenro MURAKI
1
1JR東京総合病院精神神経科
2理化学研究所脳科学総合研究センター
1Department of Psychiatry, JR Tokyo General Hospital
2Brain Science Institute, RIKEN
キーワード:
Asystole
,
Modified electroconvulsive therapy
,
Atropine
Keyword:
Asystole
,
Modified electroconvulsive therapy
,
Atropine
pp.291-296
発行日 2001年3月15日
Published Date 2001/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902390
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【抄録】 修正電気けいれん療法(mECT)直後にasystole(心拍静止)を起こした4例を経験した。その発症頻度は4/62例(6.4%),7/210回(3.3%)であった。asystoleのメカニズムには視床下部から迷走神経を経由した副交感神経が関与しているといわれている。asystoleを起こす危険因子としては,心疾患の既往やその危険因子を持つ患者,βblocker,lithium服用患者などが示唆されているが,本症例でも同様なことが認められた。予防にはatropine筋肉注射が有効であったが,筋肉注射では効果発現まで時間がかかる症例があったため,投与時間に気をつけなければならない。asystoleが生じた際は前胸部叩打を行うことでほとんどの場合心拍が再開したので,冷静に対処することが必要であることが示唆された。
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