Japanese
English
短報
妄想的に不眠を訴えた初老期うつ病の1例
A Case of Presenile Depression with Delusional Insomnia
都甲 崇
1
,
高橋 恵
1
,
大谷 健
1
,
小島 克夫
1
,
遠藤 桂子
1
,
小阪 憲司
1
Takashi TOGO
1
,
Megumi TAKAHASHI
1
,
Tsuyoshi OTANI
1
,
Katsuo KOJIMA
1
,
Keiko ENDO
1
,
Kenji KOSAKA
1
1横浜市立大学医学部精神医学教室
1Department of Psychiatry, Yokohama City University School of Medicine
キーワード:
Presenile depression
,
Delusional insomnia
,
Polysomnography
,
Clomipramine
Keyword:
Presenile depression
,
Delusional insomnia
,
Polysomnography
,
Clomipramine
pp.145-148
発行日 2000年2月15日
Published Date 2000/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405902163
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高齢者は不眠を訴えることが多く,その出現頻度は自覚的な睡眠評価に基づく疫学調査によると15〜50%とされている8)。高齢者の不眠の原因としては,加齢による生理的変化,身体疾患の罹患,痴呆やうつ病などの精神医学的要因や社会生活の変化などの環境要因が考えられるが,加えて,客観的所見を欠くにもかかわらず妄想的に不眠を訴える例もあり,その診断,治療は困難であることも少なくない。今回,我々は妄想的な不眠の訴えに対して睡眠ポリグラフィ(polysomnography;PSG)を含めて検討し,治療を行った初老期うつ病の1例を経験した。我々の知るかぎり本邦でこのような症例の報告はなく,貴重な症例と思われたので,若干の考察を加えて報告する。
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