特集 「治療を終える」に向き合う
【摂食障害】
〈essay〉
経験者が考える「治療を終える」
山口 いづみ
1
1NPO法人あかりプロジェクト
pp.1556-1557
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207446
- 有料閲覧
- 文献概要
はじめに
摂食障害経験者が考える「治療を終える」というテーマをいただいた。では「治療」とはなんだろうか。また,「回復したから治療を終える」とシンプルに考えてみると,「回復」とはなにか。
たとえば身体の病気に比べると,摂食障害の場合は「治療」や「回復」の定義にかなりばらつきがありそうだ。当事者同士でも,医療者と当事者でも,きっと医療者同士でも違っているのだろう。
私たちあかりプロジェクトは2008年にスタートした当事者団体で,これまで自助グループ「あかりトーク」を通して200名あまりの当事者たちと分かち合いをしてきた。私が摂食障害当事者全員を代表することは決してできないが,これまで出会ってきた人たちの声を踏まえ,当事者たちがこれらをどう定義しているかを鑑みながら「治療を終える」ことについて考えてみたい。
Copyright © 2024, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.