Japanese
English
特集 不登校の理解と支援
【家庭・学校・社会との関連】
愛着や居場所という視点から考える不登校
Attachment and Belonging in School Non-Attendance
和迩 健太
1
,
村上 伸治
1
Kenta Wani
1
,
Shinji Murakami
1
1川崎医科大学精神科学教室
1Department of Psychiatry, Kawasaki Medical School, Okayama, Japan
キーワード:
愛着
,
attachment
,
不登校
,
school non-attendance
,
安全基地
,
secure base
,
肯定
,
affirm
Keyword:
愛着
,
attachment
,
不登校
,
school non-attendance
,
安全基地
,
secure base
,
肯定
,
affirm
pp.1270-1276
発行日 2024年10月15日
Published Date 2024/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207395
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抄録
不登校の生徒数は,社会のあり方や不登校に対する考え方が変化しているとはいえ,依然として高い水準で推移しているのが現状である。精神科臨床において愛着に問題を抱える虐待例を中心とした不登校ケースは当然として経験することがあるが,幼少期の愛着形成に特に問題もなく普通に育てられてきた子どもが不登校となり,その瞬間から子どもと親の愛着に混乱を来すケースのほうがむしろ多い。家庭内が「安全基地」として機能していたにもかかわらず,不登校問題に親が戸惑ってしまった結果「安全基地」として機能しなくなるからである。そのような愛着に混乱を来した親子に対して精神科医ができることは,子どもに対しては肯定し続け,時に診察室を「安全基地」として提供し,また親に対しては親の混乱を受け止めながら子どもを肯定的に受け止めるあり方を伝えていくことで,再び家庭を「安全基地」として機能させることではないかと考える。
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