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特集 アディクション—コロナ禍で変わったこと,変わらないこと
【総論】
アディクションの今日的理解—ICD-10からICD-11への変化を中心に
An Updated Understanding of Addictions : Focusing on Changes from ICD-10 to ICD-11
樋口 進
1
Susumu Higuchi
1
1独立行政法人国立病院機構久里浜医療センター
1National Hospital Organization Kurihama Medical and Addiction Center, Kanagawa, Japan
キーワード:
物質使用症
,
disorders due to substance use
,
嗜癖行動症
,
disorders due to addictive behaviors
,
国際疾病分類第11版
,
International Classification of Disease 11th Revised
,
ICD-11
,
新型コロナウイルス感染症
,
coronavirus disease 2019
,
COVID-19
Keyword:
物質使用症
,
disorders due to substance use
,
嗜癖行動症
,
disorders due to addictive behaviors
,
国際疾病分類第11版
,
International Classification of Disease 11th Revised
,
ICD-11
,
新型コロナウイルス感染症
,
coronavirus disease 2019
,
COVID-19
pp.874-881
発行日 2024年7月15日
Published Date 2024/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207325
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抄録
最近,嗜癖分野は大きく変貌した。本稿では主にICD-10からICD-11への変化を中心に概説する。最大の変化は,ギャンブル行動症やゲーム行動症といった嗜癖行動症が新たに嗜癖に加わり,その概念が拡大したことである。物質使用症では,精神作用物質の有害な使用エピソードのような新しいカテゴリーが収載された。また,物質依存の診断項目が6項目から3項目に簡素化された。さらに,ICD-11では,他者への健康面での害やそのリスクも,本人の診断対象となった。一方で,2019年後半から始まったCOVID-19パンデミックは,人々の生活や経済活動などに多大な影響を与えた。嗜癖分野も例外ではなく,特に行動嗜癖への影響は顕著だった。本稿の最後にこの点についても言及する。
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