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はじめに
周知のとおり,世界的に認められている精神新患の診断ガイドラインは,WHOのICD(International Statistical Classification of Diseases and Related Health Problems)とアメリカ精神医学会のDSM(Diagnostic and statistical Manual of Mental Disorders)である。現行のICDは第10版であるが8),2018年6月頃に第11版(ICD-11)が出版される9)。アディクションにかかわる診断基準・ガイドラインが,2013年にリリースされたDSM-5と我々が日常診療で今後使用することになるICD-11では大分異なる2,9)。現在ICD-11の草稿は,WHOのホームページに掲載されているが,その内容は定義のみで,詳細についてはまだ不明の部分もある。しかし,公式な発表ではないものの,より詳細な内容もWHOから示されている。
既述のとおり,現在日常診療で使用されているのはICD-10であるが,本章では先を見据えて,これらの情報を踏まえ,ICD-11草稿とDSM-5の内容を比べてみる。ICD-11の内容に関する情報には,筆者が参加したアディクションにかかわるWHO会議での議論に基づくものも含まれている。ここで取り上げるICD-11は最終版ではないので,今後,内容に若干の修正が入る可能性もあることを追記しておきたい。また,DSM-5については,邦訳が出版されているが2),ICD-11草稿については公式な翻訳がないため,筆者が翻訳した。したがって,本稿の邦訳はあくまでも暫定的な翻訳である。
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