増大号特集 精神科診療における臨床評価尺度・検査を極める—エキスパートによる実践的活用法
Ⅱ章 疾患別の評価尺度・検査
物質関連症及び嗜癖症群
薬物依存の評価尺度—DAST-20,SRRS,SOCRATES-8D
小林 桜児
1
,
平野 祥子
1
1神奈川県立精神医療センター依存症診療科
キーワード:
薬物依存
,
drug dependence
,
評価尺度
,
clinical rating scale
,
DAST
,
Drug Abuse Screening Test
,
SRRS
,
Stimulant Relapse Risk Scale
,
SOCRATES
,
Stages of Change Readiness and Treatment Eagerness Scale
Keyword:
薬物依存
,
drug dependence
,
評価尺度
,
clinical rating scale
,
DAST
,
Drug Abuse Screening Test
,
SRRS
,
Stimulant Relapse Risk Scale
,
SOCRATES
,
Stages of Change Readiness and Treatment Eagerness Scale
pp.635-639
発行日 2024年5月15日
Published Date 2024/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207280
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はじめに
薬物依存は,アルコール以外のさまざまな精神作用物質を摂取する行動を制御できない状態,すなわち覚醒剤や大麻,向精神薬,市販薬などさまざまな物質の使用について,コントロールを喪失している病態を指す。
薬物依存の診断や重症度の把握を目的とする評価尺度の代表例がDrug Abuse Screening Test(DAST-20)であり,約40年間にわたって世界中で幅広く用いられている。DAST-20と比較すると使用頻度は高くないものの,患者の再使用リスクを評価する尺度として日本で開発・提供されているStimulant Relapse Risk Scale(SRRS)や,回復に向けた動機づけの程度を評価する尺度としてThe Stages of Change Readiness and Treatment Eagerness Scale for Drugs(SOCRATES-8D)なども利用可能である。
本稿では,薬物依存の臨床や研究において頻用されているDAST-20を中心に,上記3種の評価尺度について解説する。
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