Japanese
English
特集 精神疾患回復の時間経過を見通す
双極症—3つの回復の視点と再発予防
Bipolar disorder:3 Types of Recovery and Time Course
藤村 俊雅
1
,
加藤 忠史
1
Toshimasa Fujimura
1
,
Tadafumi Kato
1
1順天堂大学医学部精神医学講座
1Department of Psychiatry, Juntendo University of Medicine, Tokyo, Japan
キーワード:
双極症
,
bipolar disorder
,
回復
,
recovery
,
臨床的回復
,
clinical recovery
,
社会的回復
,
social recovery
,
その人自身の回復
,
personal recovery
Keyword:
双極症
,
bipolar disorder
,
回復
,
recovery
,
臨床的回復
,
clinical recovery
,
社会的回復
,
social recovery
,
その人自身の回復
,
personal recovery
pp.1473-1480
発行日 2023年11月15日
Published Date 2023/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207117
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抄録
双極症の治療では,各エピソードの寛解および再発予防が重要であるが,これらは患者の心理社会的機能および生活の質の改善と必ずしも一致しないことが知られている。そのため,近年は,治療ゴールにおいて,症状アウトカムである「寛解(remission)」だけではなく,患者視点での「回復(recovery)」を重視するようになっている。「回復」は,「臨床的回復(clinical recovery)」「社会的回復(social recovery)」「その人自身の回復(personal recovery)」と大きく3つに分類されることがあり,時間経過を考えると,短期の経過(概ね1年程度)では「臨床的回復」が,長期の経過(概ね10年程度)では「社会的回復」が,一生涯の経過では「その人自身の回復」での視点が重要となってくる。治療者は常に各「回復」の視点をもって,患者の一生を支えていく必要がある。
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