内科医が診る不安・抑うつ どこまで診るのか、どこから診ないのか
内科医にできる不安障害・うつ病の評価と治療 パニック障害に対する薬物療法
佐々木 司
1
1東京大学 精神保健支援室
キーワード:
Benzodiazepines
,
抗不安剤
,
多剤併用療法
,
Serotonin Uptake Inhibitors
,
パニック症
,
DSM
Keyword:
Benzodiazepines
,
Drug Therapy, Combination
,
Anti-Anxiety Agents
,
Panic Disorder
,
Serotonin Uptake Inhibitors
,
Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders
pp.259-262
発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2010107270
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
パニック障害におけるパニック発作や予期不安、広場恐怖などの治療には、セロトニン選択的再取り込み阻害薬(SSRI)やベンゾジアゼピン(BZD)系抗不安薬などによる薬物療法が有効であるが、実際の処方ではむずかしい面も少なくない。これらの薬剤のうち、BZDには即効性があり有効性が高い。とくに長期作用型BZDは安定した抗不安効果を示す。しかし、BZDの使用には依存性の点で注意が必要である。SSRIは、即効性ではBZDに劣るものの、やはり有効性が高い。またBZDと異なり依存性の問題も少ない。しかし、パニック障害で合併頻度の高い双極性障害の誘発リスクや、activation syndromeの問題から、処方の判断にむずかしい面がある。このため筆者の意見ではあるが、ごく初期の対応を除けば、その後のフォローはパニック障害に詳しい専門医に委ねるほうが安全かと思われる。
©Nankodo Co., Ltd., 2010