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特集 精神科医療の必須検査—精神科医が知っておきたい臨床検査の最前線
うつ病の診断,治療に際しての必須検査
Essential tests in the diagnosis and treatment of depression
長谷川 千絵
1
,
古郡 規雄
1
Chie Hasegawa
1
,
Norio Yasui-Furukori
1
1獨協医科大学精神医学講座
1Department of Psychiatry, Dokkyo Medical University School of Medicine, Tochigi, Japan
キーワード:
うつ病
,
depression
,
鑑別診断
,
differential diagnosis
,
検査
,
test
,
副作用
,
side effect
Keyword:
うつ病
,
depression
,
鑑別診断
,
differential diagnosis
,
検査
,
test
,
副作用
,
side effect
pp.931-937
発行日 2023年6月15日
Published Date 2023/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405207017
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抄録
うつ病の鑑別診断にうつ状態を呈する身体疾患がある。併存する身体疾患やその治療薬がうつ病と関連するか確認するために,総合的な病歴を聞き,身体的・神経学的検査,一般的な血液・尿検査を行う。必要に応じて疾患特異的な検査や画像検査を追加し,専門医へ紹介する。認知症との鑑別が必要なときは頭部画像検査や認知機能検査を行う。うつ病と診断し薬物療法を始める前に,抗うつ薬によっては心電図検査を行う。また,治療開始後も一般血液検査を定期的に行う。増強療法としてリチウムを併用する場合は甲状腺機能や血中濃度を定期的に検査する。また,心電図検査も行う。非定型抗精神病薬を併用した場合も心電図検査を行う。電気けいれん療法を行う前には標準的身体所見,神経学的所見,麻酔前検査,心電図検査,血液・尿検査,胸部X線撮影,頭部画像検査,歯科検査を行う。反復経頭蓋磁気刺激療法を実施する前には脳波と脳画像検査を行うことが望ましい。
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