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特集 精神医学における臨床研究のすゝめ—わが国で行われたさまざまな精神医学臨床研究を参考にして
症例報告のポイント:臨床神経病理学的研究
The Methodology of Case Report in Neuropathological Studies
入谷 修司
1,2
Shuji Iritani
1,2
1桶狭間病院藤田こころケアセンター附属脳研究所
2藤田医科大学
1Brain Research Institute, Okehazama Hospital Fujita Mental Care Center, Aichi, Japan
2Fujita Health University
キーワード:
臨床神経病理
,
clinical neuropathology
,
脳組織研究
,
brain tissue research
,
ブレイン・バンク
,
brain bank
Keyword:
臨床神経病理
,
clinical neuropathology
,
脳組織研究
,
brain tissue research
,
ブレイン・バンク
,
brain bank
pp.11-20
発行日 2023年1月15日
Published Date 2023/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206819
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抄録
臨床神経病理学的研究は,個々の患者の症例の臨床所見と病理所見の報告の積み重ねによってその病態を理解し,最終的には臨床技量を向上させる研究手段である。その症例蓄積の結果として,疾患単位や診断基準が提唱され,それらが揺るぎのない確たる医学的進歩をもたらした。臨床と病理が両輪として医学の進歩に貢献したことは,アルツハイマー病やレビー小体病の疾患単位が見出された経緯を振り返ればわかる。病理学的な症例報告のポイントは,最初に丁寧な臨床観察がスタートであり,そこから,目の前の患者の脳にどのようなことが起きているかを想起することが重要である。その上で,既報を渉猟し共通項と相違点を整理し,最終的に病理において診断学的検証を行い,新しい知見を見出すのが臨床神経病理学の醍醐味である。症例報告のポイントはまさにこの興味を臨床場面で持ち続けることである。
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