Japanese
English
特集 「実感と納得」に向けた病気と治療の伝え方
強迫症
Realistic and Convincing Explanations about the Illness and the Treatments for Patients with Obsessive-compulsive Disorder
村山 桂太郎
1
,
中尾 智博
2
Keitaro Murayama
1
,
Tomohiro Nakao
2
1九州大学病院精神科神経科
2九州大学大学院医学研究院精神病態医学
1Department of Psychiatry, Kyushu University Hospital, Fukuoka, Japan
2Department of Neuropsychiarty, Graduate School of Medical Sciences, Kyushu University
キーワード:
強迫症
,
obsessive-compulsive disorder
,
行動分析
,
behavior analysis
,
利他的な気持ち
,
altruism
Keyword:
強迫症
,
obsessive-compulsive disorder
,
行動分析
,
behavior analysis
,
利他的な気持ち
,
altruism
pp.1649-1656
発行日 2021年11月15日
Published Date 2021/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206489
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抄録 大学病院の専門外来という診療環境の中で,筆者らが強迫症の治療を始めるにあたり,初診時に心掛けていること,患者や家族に対してどのように病気や治療の説明をしているかを述べた。初診時では,特に主訴に添いつつ患者が日常生活で具体的にどのように困っているのかを治療者がイメージできるように行動分析(ケースフォミュレーション)を行っていることを説明した。疾患や治療に関する説明では,強迫症の一般的な説明と治療に関する情報に加えて,薬物療法が中断となったケースについて,行動分析と薬歴の聴取を丁寧に行うことで治療関係が構築され,再開できる可能性があることを述べた。治療者の利他の気持ちにより生じる「患者が症状によってどのように生活に支障を来しているのか」という純粋な疑問と丁寧にその状況を聴取していく姿勢が治療関係を築き,当事者の実感と納得に繋がるだろう。
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