Japanese
English
特集 若年性認知症の疫学・臨床・社会支援
若年性認知症の臨床的課題—血管性認知症を中心に
Vascular Cognitive Impairment in Young Adults
鈴木 匡子
1
Kyoko Suzuki
1
1東北大学大学院医学系研究科高次機能障害学
1Department of Behavioral Neurology and Clinical Neuroscience, Tohoku University Graduate School of Medicine, Sendai, Japan
キーワード:
血管性認知症
,
vascular dementia
,
若年性認知症
,
juvenile dementia
,
血管性認知機能障害
,
vascular cognitive impairment
,
脳卒中後認知症
,
poststroke dementia
,
小血管病
,
small vessel disease
Keyword:
血管性認知症
,
vascular dementia
,
若年性認知症
,
juvenile dementia
,
血管性認知機能障害
,
vascular cognitive impairment
,
脳卒中後認知症
,
poststroke dementia
,
小血管病
,
small vessel disease
pp.1463-1469
発行日 2020年11月15日
Published Date 2020/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206216
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
抄録 血管性認知症は若年性認知症の原因としては2番目に多く,約15%を占める。脳血管障害による認知症の発症には,病前の認知機能/脳の予備能の多寡が関連していると考えられている。血管性認知症はいくつかの臨床病型に分かれ,それによって発症様式や経過が異なる。多発梗塞性認知症,戦略的な部位の単一病変による認知症,出血性血管性認知症は脳卒中発作で発症する。局所症状としての認知機能障害を呈することが多く,患者ごとに症状は異なる。一方,小血管病性認知症は細動脈硬化,ラクナ梗塞,微小梗塞,脱髄を伴う白質変化が主体で,緩徐進行性の経過をとる。若年性認知症では遺伝的背景を持つ小血管病も知られている。若年性血管性認知症においては,各患者の病前状態,臨床病型を踏まえ,病態をよく理解して対応にあたることが重要である。
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.