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特集 周産期メンタルヘルスの今
産後うつ病の新規治療薬brexanolone
Brexanolone: A new drug for postpartum depression
橋本 謙二
1
Kenji Hashimoto
1
1千葉大学社会精神保健教育研究センター・病態解析研究部門
1Division of Clinical Neuroscience, Chiba University Center for Forensic Mental Health, Chiba, Japan
キーワード:
アロプレグネノロン
,
allopregnanolone
,
ブレキサノロン
,
brexanolone
,
産後うつ病
,
postpartum depression
Keyword:
アロプレグネノロン
,
allopregnanolone
,
ブレキサノロン
,
brexanolone
,
産後うつ病
,
postpartum depression
pp.1253-1258
発行日 2020年9月15日
Published Date 2020/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206181
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抄録 産後うつ病は,分娩後2週間以上持続し,日常生活に支障を来す抑うつ症状であり,約10〜15%の女性が産後うつ病を発症する。また選択的セロトニン再取り込み阻害薬などの既存の抗うつ薬では十分な効果が得られない患者も多い。多くの研究から,産後うつ病の発症には,GABA受容体サブタイプAのアロステリック調節因子である内因性神経ステロイドallopregnoloneの異常が関与していることが報告されている。2019年3月に米国食品医薬品局は,allopregnoloneの静脈注射剤brexanoloneを産後うつ病の治療薬として承認した。本稿では,うつ病の病因におけるallopregnoloneの役割,静脈注射剤brexanolone,および現在,第三相臨床試験中の新規経口治療薬SAG-217について述べる。
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