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特集 ベンゾジアゼピン受容体作動薬の問題点と適正使用
ベンゾジアゼピン受容体作動薬による認知機能への影響
Effects of Benzodiazepine Use on Cognitive Function in Psychiatry
豊巻 敦人
1
,
久住 一郎
1
Atsuhito Toyomaki
1
,
Ichiro Kusumi
1
1北海道大学大学院医学研究院精神医学教室
1Department of Psychiatry, Graduate School of Medicine, Hokkaido University, Sapporo, Japan
キーワード:
ベンゾジアゼピン
,
benzodiazepine
,
認知機能障害
,
cognitive dysfunction
,
神経認知
,
neurocognition
Keyword:
ベンゾジアゼピン
,
benzodiazepine
,
認知機能障害
,
cognitive dysfunction
,
神経認知
,
neurocognition
pp.395-399
発行日 2020年4月15日
Published Date 2020/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405206042
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抄録 近年,ベンゾジアゼピン受容体作動薬のさまざまな有害事象,不適切な使用について関心が持たれてきている。特に,社会生活機能に直接的に寄与する認知機能への影響について指摘されるようになってきた。ベンゾジアゼピン受容体作動薬は認知機能に対して状態依存的要因,中核的な要因の双方に影響する。神経心理検査を用いたベンゾジアゼピン受容体作動薬の認知機能への影響に関する報告は健常者や統合失調症などでみられ,いずれも広汎な認知領域を低下させる。ベンゾジアゼピン受容体作動薬の使用において,睡眠障害や不安・恐怖の改善という精神症状へのベネフィットに加えて,薬剤誘発性の認知機能障害による社会生活機能の低下を意識することがいっそう望まれる。
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