Japanese
English
特集 医療現場での怒り—どのように評価しどのように対応するべきか
大人の発達障害の怒りへの対応
Anger in Adult Developmental Disorders
山田 敦朗
1
Atsurou Yamada
1
1名古屋市立大学大学院医学研究科精神・認知・行動医学分野
1Department of Psychiatry, Nagoya City University Graduate School of Medical Sciences, Nagoya, Japan
キーワード:
Autism spectrum disorders
,
Attention-deficit/hyperactivity disorders
,
Developmental disorders
,
Adult
,
Anger
Keyword:
Autism spectrum disorders
,
Attention-deficit/hyperactivity disorders
,
Developmental disorders
,
Adult
,
Anger
pp.1287-1296
発行日 2019年11月15日
Published Date 2019/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205935
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
抄録 大人の発達障害では主に自閉スペクトラム症(autism spectrum disorders:ASD),注意欠如・多動症(attention-deficit / hyperactivity disorders:ADHD)に遭遇する頻度が高い。こうしたケースでは,扱いづらい怒りの問題がしばしば起きてくる。ASDでは,対人関係の障害や常同といった症状に関連すると考えられるが,共感性の障害や易刺激性,気分調整の困難なども一因として挙げられる。ADHDでは不注意,多動,衝動性の症状によるものの他,ASDと同様に気分調整の困難も関連する。どちらの発達障害においても,孤立感,被害念慮,自己不全感,自尊心の低下といった二次障害と呼ばれる症状があることが多く,怒りの原因になり得るので注意が必要である。怒りの現場では冷静な対応が求められるが,見通しを立てること,丁寧に説明することで怒りを予防することも重要である。また治療の一環として怒りを扱っていくことも欠かせない。
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.