「精神医学」への手紙
今なぜ「てんかん」なのか—NCSE(non-convulsive status epilepticus)の過剰援用について
細川 清
1
1香川医科大学
pp.1225
発行日 2019年10月15日
Published Date 2019/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205924
- 有料閲覧
- 文献概要
思えば古いが,小生が「小発作重積症とその周辺」を,本誌「精神医学」(11巻8号)に発表したのは,1969年であった。それに先立つ1968年,本邦初例として,「発作性混迷ictal stuporの一例」を報告した。半世紀以前の話で恐縮である。以来,ほそぼそではあったが,この主題をめぐって,これまで多くの引用の栄誉をいただいてきた。ごく最近,NCSE(non-convulsive status epilepticus)を冠した報告症例が意外に多くなったのにやや戸惑っている。疾患の頻度が短い期間にそう変わるものではなかろう。こういう症例は,ごく稀にしか経験できない。
Copyright © 2019, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.