診療
胎児心拍モニタリングにおいてnon-reassuring fetal status(NRFS)と診断した症例の臨床的背景と転帰
本田 裕
1
,
高畑 敬之
,
綱掛 恵
,
友野 勝幸
,
山崎 友美
,
中村 紘子
,
澤崎 隆
,
水之江 知哉
1国立病院機構呉医療センター 産婦人科
キーワード:
胎児心拍陣痛図
,
臍帯
,
胎児機能不全
,
胎盤
,
帝王切開術
,
自然分娩
,
後向き研究
,
子宮頸管熟化
,
胎児発育
Keyword:
Cesarean Section
,
Fetal Distress
,
Natural Childbirth
,
Placenta
,
Retrospective Studies
,
Cardiotocography
,
Umbilical Cord
,
Cervical Ripening
,
Fetal Development
pp.643-647
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00535.2017251477
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外来診療で行ったNST(non-stress test)で偶発的にnon-reassuring fetal status(NRFS)と判定した17例の臨床的背景を後方視的に比較し、適切な管理法について考察した。経過観察中に陣痛が自然発来して経腟分娩となった5例(V群)と、入院後、NRFSを繰り返して帝王切開となった12例(C群)に群別して比較した結果、診断時(入院時)のBishopスコアと胎盤重量はV群が有意に高値を示し、児出生時体重と臍帯断面積もV群で高値の傾向にあった。通常の妊婦健診の範疇でもNSTで異常所見を認めた場合には、高率にNRFSを繰り返し最終的に帝王切開となることが多いため、入院管理として胎児心拍モニタリングを行うべきであり、経腟分娩の成否には子宮頸管熟化の他に、胎盤や臍帯因子、胎児発育が影響していることが示唆された。
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