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特集 今再び問う,内因性精神疾患と心因性精神疾患の概念
「神経症」レベルにおける心因反応の概念の変遷
The Vicissitude of the Concept of Psychogenic Reaction on the Neurotic Level
岡野 憲一郎
1
Kenichiro Okano
1
1京都大学教育学研究科
1Department of Education, Kyoto University, Kyoto, Japan
キーワード:
Psychogenic reaction
,
Gain from illness
,
Stress-diathesis model
Keyword:
Psychogenic reaction
,
Gain from illness
,
Stress-diathesis model
pp.825-833
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205867
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抄録 心因反応と呼ばれる疾患群の中で神経症レベルのものを取り上げ,その時代的な変遷について論じた。前世紀半ばの米国の精神医学では,心因反応という概念は明らかに存在し,非器質性の精神疾患の多くを含んでいた。しかし現代の精神医学においては医療技術の発展とともに,心因,内因,外因という従来の分類が意義を失いつつある。そして心因反応という概念は発展的に解消されつつあり,それに該当するものとしては適応障害が残されているに過ぎない。現代では,心因反応に関連して用いられた疾病利得の概念への反省も促され,心身を相互的な連関としてとらえるストレス-素因モデルが新たな意義を有するようになっている。
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