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私のカルテから
入院と外泊によるリハビリテーションで改善した高次脳機能障害の1例
A Case of Higher Brain Dysfunction Resulted from Traumatic Brain Injury Improved by Repititive Community-based Rehabilitation
伊藤 陽
1
,
新藤 雅延
2
,
吉田 浩樹
1
,
清水 敬三
1
,
大塚 道人
2
,
和知 学
3
,
長谷川 まこと
1
Noboru ITOH
1
,
Masanobu SHINDOH
2
,
Hiroki YOSHIDA
1
,
Keizou SHIMIZU
1
,
Michito OHTSUKA
2
,
Manabu WACHI
3
,
Makoto HASEGAWA
1
1新津信愛病院
2新潟市民病院精神科
3新潟信愛病院
1Niitu Shinai Hospital, Niigata, Japan
2Department of Psychiatry, Niigata City Hospital
3Niigata Shinai Hospital
キーワード:
Higher brain dysfunction
,
Traumatic brain injury
,
Community-based rehabilitation
,
Prognosis
Keyword:
Higher brain dysfunction
,
Traumatic brain injury
,
Community-based rehabilitation
,
Prognosis
pp.1073-1078
発行日 2017年11月15日
Published Date 2017/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205491
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はじめに
高次脳機能障害とは,頭部外傷や脳血管障害などに起因する脳の器質的損傷により,失語・失行などの巣症状,注意障害や記憶障害などの欠落症状,理解・判断・遂行機能の障害,社会的行動障害などを呈する状態像を指す6)。2001〜2005年度に施行された高次脳機能障害支援モデル事業の調査8)によると,全国で約7万人と推計される18〜65歳の高次脳機能障害患者の原因疾患は,外傷性脳損傷が76.2%と最も多く,次いで脳血管障害17.0%,低酸素脳症2.8%と続く。この外傷性脳損傷による高次脳機能障害患者に関して,発症当初からかかわり,長期経過を追った報告は乏しい11)。
今回,筆者らは外傷性脳損傷後に高次脳機能障害を呈した症例の経過を約2年間フォローし,まず入院リハビリテーション(以下,リハビリ),次いで外泊の繰り返しによる在宅リハビリも行ったところ,著しい改善がみられたので報告する。なお患者および配偶者からは本報告に関して書面による同意を得ており,匿名性保持のため個人背景には変更が加えられている。
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