Japanese
English
短報
家族性アルツハイマー病の1家系
A Pedigree of Familial Alzheimer's Disease
土井 章良
1
,
森吉 利弘
2
,
洲崎 日出一
3
Akira Doi
1
,
Toshihiro Moriyoshi
2
,
Hideaki Susaki
3
1川村医院
2田岡東病院
3徳島市立園瀬病院
1Kawamura Clinic
2Taokahigashi Hospital
3Tokushima Municipal Sonose Hospital
pp.415-418
発行日 1989年4月15日
Published Date 1989/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204694
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I.はじめに
Alzheimer病(以下ADと略す)の大部分では家族歴がなく,一般にAD全体としては遺伝性の関与は少ないとされている1,2,5。しかし,例えば,ADの60%には家族歴が全くない4,9)としても,残る40%にはあるとすれば少ないとは言えないような印象も受ける。ただ,これに答えるべき広範で詳細な疫学的資料は,方法論的に困難が多いため少ないのが現状のようである7)。
一方,数は少ないが,発病年齢の早くて,重症で,遺伝性が強く2,4,15),常染色体性優性遺伝の形式を示す家系が報告されている。その数は50家系以上と表現されている1)。本邦では,14例の家族性AD(以下FADと略す)が報告され,そのうち6例がこれに相当すると思われる。
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