Japanese
English
研究と報告
躁うつ病様症状を呈した46,XY/47,XYYモザイク型XYY男子の1例
A Case of Affective Disorder in a 46, XY/47, XYY Mosaic Male
花田 進
1
,
三田 達雄
2
,
白川 治
2
Susumu Hanada
1
,
Tatsuo Mita
2
,
Osamu Shirakawa
2
1湊川病院
2神戸大学医学部精神神経科学教室
1Minatogawa Hospital
2Department of Psychiatry and Neurology, Kobe University School of Medicine
キーワード:
Affective disorder
,
XYY male
,
EEG changes
Keyword:
Affective disorder
,
XYY male
,
EEG changes
pp.1345-1350
発行日 1988年12月15日
Published Date 1988/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405204629
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抄録 性染色体の数の異常であるXYY男子には種々の精神症状が出現することがある。現在まで精神分裂病様症状を呈したXYY男子の報告は数例あるが,躁うつ病様症状を呈した症例は報告されていない。
本症例は,18歳頃に発病し,両極型躁うつ病の診断で治療を受けていたが,射精障害の精査で46,XY/47,XYYモザイク型XYY個体と判明した1例である。身体的には,長身で髭がうすく,生殖器の発育不全があったが,内分泌学的検査で異常はみられなかった。精神医学的には,知能は正常,繰り返された躁状態とうつ状態から臨床診断は両極型躁うつ病としてよいと思われた。脳波は軽度異常(θ波の群発)があり,CT検査でも脳室の軽度拡大がみられた。躁うつ病様症状とXYY核型は単なる偶然の一致とも思えるが,躁うつ病様症状発症の一因として過剰なY染色体の関与も疑えた。
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